この記事では、
・機能不全家族に気づいたきっかけ
・その後に起きた変化
・回復の初期にやったこと
を実体験としてシリーズでまとめています。
読み進める中でつらくなったときは、
無理をせず手を止めてください。休みながらで大丈夫です。
これまでの記事はこちらをご覧ください。
機能不全家族で育った私①|「普通の家庭」が分からなかった理由
しんどかったこと
罪悪感
私は機能不全家族に気づいたあと、すぐに楽になったわけではありませんでした。
むしろ、気づいたからこそ苦しくなったこともあります。
当時は「罪悪感」という言葉を自覚していたわけではありませんでした。
ただ、頭の中にはずっと
「親に黙って悪いことをしている」
という感覚がありました。
友人から「いい子だよね」と言われても、自分ではまったくそう思えず、
「どうしてそう見えるんだろう」と戸惑っていました。
今振り返ると、当時の私は「幸せになってはいけない」という思い込みにも
気づいていなかったのだと思います。
家に帰らなければと思いながら、
「遊び歩いている悪い娘だ」と感じつつ
帰りたくない気持ちの方が大きい。
「お母さん心配しているかな」と考えつつ、
それでも帰らない日もありました。

心配をかけているという罪悪感と、
家にいたくないという本音が
同時に存在していました。
どちらも本当の気持ちなのに、
どちらも認められない状態だったのだと思います。
早く大人になりたいと思っていた
当時は「早く大人になりたい」と思っていました。
とにかく家を早く出たい、その気持ちが大きかったのです。
大人になれば自由になれる。
自分の人生を自分で決められる。
そんな希望がありました。
その一方で、
「こんな自分がまともな大人になれるのだろうか」
という不安もいつもありました。

自由になりたい気持ちと、
自分を信じきれない気持ちが
同時に存在していたのだと思います。
その背景には、もっと幼い頃の体験がありました。
そして、私がそう思うようになるには十分すぎる理由がありました。
家族観が崩れた瞬間
それは小学生の頃。
父に叩かれたときの出来事が、私の中で「家族」のイメージを大きく変えた瞬間でした。
そのとき私は、母に向かって
「どうして守ってくれないの?」
「私は守られない存在なの?」
と叫びたくなった記憶があります。
子どもながらに、親は守ってくれるものだと思っていました。
実際には、母も父から強く叩かれており、
身体的な事情もあって動ける状態ではありませんでした。
大人になった今は、その状況を理解できます。

それでも当時の私は、ただ一言
「あの子を叩くのはやめて」
と言ってほしかったのだと思います。
もう一つ、大きく信頼が崩れた瞬間があります。
それは謝れば許してもらえると思っていたこと。
子どもなりに必死に謝りました。
けれど、父の手が緩むことはありませんでした。
「親はどこかで子どもを愛していて、
怒っていても声を聞けば我に返る」
そう信じていましたが、現実は違いました。
父が何に対して怒っているのか分からない。
ただ恐怖だけがありました。

この経験から、
家は安全な場所ではない
という認識が強く残ったのだと思います。
孤独感
孤独は、この時期だけのものではありませんでした。
気づけば、ずっとそばにある感覚でした。
中学や高校の頃は、「早く大人になりたい」と繰り返し思っていました。
家を出ることが唯一の解決策だと感じていたため、
結婚が早かったのもその延長線上にあったのだと思います。
頭の中には
「わかってもらえない」
という言葉が常にありました。
自分の気持ちを説明しても伝わらない、
そもそも話すこと自体が難しい、
という感覚が強く、
内側に閉じていくしかありませんでした。

大人になり、家族が増えてからも、孤独感が消えたわけではありませんでした。
役割は増えているのに、自分という感覚が持てない。
話を聞いてほしいと思っても、うまく伝えられない。
その状態が続くほど、
「一人でなんとかしなければならない」
という感覚が強くなっていきました。
気づけば、心も体も限界に近づいていたのだと思います。
回復の転機|初めて「楽になった」と感じた瞬間
「少し楽になった」と初めて実感した出来事
少し楽になったと初めて実感したのは、パニックで仕事を休んだあと、
信頼している友人に話を聞いてもらったときでした。
家族のことも含めて、
これまで誰にも言えなかった内容を話しました。
丁寧な聞き取りと、
そのあと返ってきたのは、
「本当に大変だったね」
という言葉。
そう言われた瞬間、
大粒の涙が流れ、体が震えました。
鳥肌が立つような感覚で、
自分でも驚くほど感情があふれてきました。

ずっと頑張ってきた小さな自分が、
「そうだよ、大変だったんだよ」
「やっと分かってもらえた」
と、嬉し泣きをしているようでした。
「わかってくれる人がいる」
「守られていると感じていい」
そう思えたのは、初めてだったと思います。
そのとき、ようやく
「自分を認めてもいいのかもしれない」
と思えました。
人に話を聞いてもらうことは、想像以上に大きな回復のきっかけになると感じています。
同じように「気持ちを整理したい」と感じている方へ、
対話形式のセッションも行っています。
→【セッションページ】

その体験をきっかけに、
「このままではなく、ちゃんと向き合いたい」
と思うようになりました。
もう一つの転機は、
その後、自分には認知行動療法が必要だと理解し、
対応できる先生を自分で探したことです。
実際にカウンセリングを受け、
伴走してもらえていると感じたとき、
長年自助グループでも到達できなかった地点に
一歩進めた感覚がありました。
「自分で選んで、自分の回復に取り組めている」
その実感が、大きな支えになりました。
自分に興味を持つ
回復の過程で一番大きかったのは、
ジャーナリングを始めたことでした。
私が実際にやっているジャーナリングの方法は、初心者でも始めやすい形でまとめています。
→【ジャーナリング記事リンク】
ノートに
「自分にとっての幸せとは何か」
「小さい頃に好きだったこと」
「自分の大好きな人」
「どう生きたいか」
など、自分軸に関することを書いていきました。

ただ、最初はほとんど書けませんでした。
何を書けばいいのか分からない。
自分が何を感じているのかも、はっきりしませんでした。
そんなときは、信頼できる人に聞いてみました。
「私ってどんな人?」
「何をしていると楽しそう?」
「私が大事にしていそうなことって何?」
そこで言われた
「幸せそうだよね」
という言葉は、意外な発見でした。
自分ではそんなふうに思ったことがなかったからです。
同時に、
「小さくてもやりたいと思ったことをやる」
ということも意識して行動してみました。

昼から飲みに行く。
友人とたくさん話す。
写真を撮る。
瞑想する。
音楽を聴く。
人を笑わせる。
深く考える時間も大切でした。
ヨガやマインドフルネスなど、
体の力を抜くことも取り入れました。
回復の初期は、自分の本音がよく分かりません。
だからこそ、
「正しい答え」を探すより、
思いついたことを一つずつ試していきました。
その積み重ねが、
少しずつ「自分」を取り戻す時間になっていったのだと思います。
感情を否定しない
もう一つ、大きな転機になったのは
「ノーと言ってもいい」
と知ったことでした。
それまでの私は、頼まれたことは引き受けるのが当たり前でした。
やりたくないと思っていても、
「できるならやる」が唯一の選択肢でした。
無理をしている感覚さえ、
ほとんど麻痺していたのだと思います。

そんなとき、
「ノーと言っていいよ」
と言われたことがあります。
その言葉は衝撃でした。
本当は、
「できるけど、したくない」
という選択肢もある。
そして、
それを選ぶ権利が自分にもある。
そう理解したとき、
肩の力が大きく抜けた感覚がありました。
回復というのは、
何か特別なことをするというより、
自分に許していなかったことを
少しずつ許していく過程なのかもしれません。
こうした経験を通して、少しずつですが、
自分との関係が変わっていきました。
その上で、今伝えたいことがあります。
今伝えたいこと
もし過去の自分に一言かけるなら、、

もし高校生の頃の自分に一言かけるなら、
「逃げていい」
と伝えたいと思います。
当時の私は、感情を感じることさえ難しくなっていました。
自分が何を思っているのかも分からないまま、
ただその場をやり過ごすことに精一杯でした。
だからこそ、
「あなたの選択は間違っていない」
「逃げてもいい」
と言ってあげたいです。
そしてもう一つ伝えたいことがあります。
感情に、良いも悪いもないということです。
怒ってもいい。
泣いてもいい。
悲しんでもいい。
人を嫌いになってもいい。
どんな感情も、その人の中に生まれた大切な反応です。
「なんとなくおかしい」と感じた違和感も、
決して無視してはいけない感覚でした。
その感覚を大事にして、
つらい場所からは離れていい。

今なら、そう伝えたいと思います。
おわりに
もしこの記事を読んで、
「もしかして自分の家もそうなのかもしれない」と感じた方へ。
まず伝えたいことがあります。
あなたは悪くありません。
長い時間をかけて、自分の感覚を疑うようになってしまったかもしれません。
でも、本当はずっと心のどこかで
「何かおかしい」と気づいていたのではないでしょうか。
その感覚は、間違っていません。

そして、これから少しずつ気づいてほしいことがあります。
あなたの最大の味方は、あなた自身です。
最初は、この言葉の意味が分かりませんでした。
どうやって「自分の味方になるのか」
については、別の記事で詳しくまとめていきます。
怒りや悲しみ、違和感や不安。
どんな気持ちが出てきても大丈夫です。
その気持ちを感じていい。
それは、あなたが自分を守ろうとしている大切なサインだからです。
回復はゆっくりで大丈夫。
安心できる場所は、これから作っていくことができます。

